通信速度が速く安定していると聞いて『電力系光回線』が気になっていませんか?
電力系光回線は、各地域の電力会社が独自に敷いた光回線を用いたインターネットサービスで、現在日本に5つあります。
噂通り通信速度は爆速で、電力会社運営ならではのメリットもあり!
一方で下記のようなデメリットも存在するため、契約を検討している方はしっかり把握しておく必要があります。
この記事では、電力系光回線の特徴や光コラボレーション・サービスとの違い、メリット・デメリットについて解説していきます。
電力系光回線が気になっていた方は、ぜひご一読ください。
電力系光回線とは
電力系光回線とは、各地域の電力会社グループが独自の回線網を利用して提供している光インターネットサービスです。
全部で5つあり、全て西日本エリアで提供されています。
ドコモ光やNURO光などと比べると知名度は低く、名前を見てもピンと来ないので『本当に大丈夫?』と心配になってしまう方もいるかもしれませんが、使い勝手はほとんど変わりません。
むしろ電力系光回線はサービス品質が良いものが多く、特に通信の安定性と実測値は非常に優れているのが特徴です。
フレッツ光や光コラボレーションサービスとの違い
日本で提供されているほとんどの光回線は、NTTのフレッツ光回線を利用した『光コラボレーションサービス』です。
携帯事業者やプロバイダ事業者がNTTのフレッツ光回線を借り受け、自社のサービスとセットにして運用している光回線サービスのこと。
有名どころだと、ドコモ光、ソフトバンク光、So-net光、楽天ひかり、ビッグローブ光などがある。
NTTの光回線網は日本で一番広く普及しているので47都道府県全てで加入でき、また同じ回線を使っているので工事無しで乗り換えられるというメリットがあります。
その反面、利用者数が圧倒的に多いため回線混雑が起きやすく、また速度も出にくくなってしまっているんです。
一方、電力系光回線は親会社の電力エリアでしか加入できないという制限がありますが、その反面契約者数が絞られるため通信が安定しやすく、速度が速い傾向にあります。
対応地域にお住まいで、速度や安定性を重視するなら電力系光回線。
反対に、爆速でなくてもOKで乗り換えなどの利便性を重視するなら光コラボレーションサービスがおすすめです。
電力系光回線のメリット
電力系光回線には大きなメリットが3つあります。
一つずつ見ていきましょう。
1.通信速度が速い
電力系光回線は、光コラボレーションサービスと比較して通信速度が速い傾向にあります。
平均実測値で下り速度順に表に並べてみました。
光回線 | 平均下り速度 | 平均上り速度 | Ping値 |
---|---|---|---|
電力系 eo光 | 748.82Mbps | 645.58Mbps | 14.81ms |
電力系 コミュファ光 | 648.93Mbps | 613.78Mbps | 14.57ms |
電力系 ピカラ光 | 415.34Mbps | 437.14Mbps | 19.1ms |
電力系 BBIQ光 | 462.77Mbps | 442.35Mbps | 24.21ms |
電力系 メガ・エッグ光 | 313.98Mbps | 349.4Mbps | 21.73ms |
光コラボ ソフトバンク光 | 300.16Mbps | 321.42Mbps | 15.9ms |
光コラボ GMOとくとくBB光 | 227.17Mbps | 281.1Mbps | 18.3ms |
光コラボ ビッグローブ光 | 237.12Mbps | 252.48Mbps | 17.85ms |
光コラボ ドコモ光 | 259.77Mbps | 273.44Mbps | 19.3ms |
ご覧の通り、電力系光回線が軒並み速いことが分かります。
これは、複数の光コラボレーションがフレッツ光回線をシェアして利用いるのに対し、電力系光回線が独自の回線網を使用している差だと考えられます。
2.電力とセット割が組める
電力系光回線は、自社の電力とセットで利用することで割引きサービスが受けられます。
割引額はそれぞれ異なりますが、どれも両方のサービスを利用している限り効果はずーっと続きます。
すでに地域の電力を契約しているなら、電力系の光回線を組むメリットは大きいです。
3.auやUQモバイルスマホとのセット割が組める
電力系光回線の5社はKDDIと提携を結んでいます。
そのため、auやUQモバイルスマホとのセット割が適用できるんです!
光回線 | セット割が組めるスマホ |
---|---|
コミュファ光 | au・UQモバイル |
eo光 | au・UQモバイル・mineo |
メガ・エッグ | au・UQモバイル |
ピカラ光 | au・UQモバイル・ピカラモバイル |
BBIQ光 | au・UQモバイル・QTモバイル |
auスマホとのセット割は『auスマートバリュー』と言い、最大割引額は1,100円で家族の端末も含めて10台まで。
UQモバイルスマホとのセット割は『自宅セット割』と言い、最大割引額は1,100円で、こちらも最大10台まで割引対象に出来ます。
ちなみにauスマートバリューと自宅セット割は、合計10台までなら併用可能です。
場合によってはかなり大きな割引が期待できる目玉サービスです。
電力系光回線のデメリット
サービス品質に優れている電力系光回線ですが、逆にデメリットもあります。
契約を検討しているなら、必ずデメリット側も把握しておきましょう。
1.対応エリアが限られている
電力系光回線は契約できるエリアが限られています。
光回線 | 対応エリア |
---|---|
コミュファ光 | 東海地方+長野県 |
eo光 | 関西地方+福井県 |
メガ・エッグ | 中国地方 |
ピカラ光 | 四国地方 |
BBIQ光 | 九州地方 |
これは、電力会社が引いた回線網を利用している関係で、その電力グループが営業している範囲でしかサービスを提供できないためです。
どんなに『素晴らしいサービスだ!』と感じても、対応エリア外に住んでいれば契約できません。
2.乗り換え時に必ず工事が必要になる
電力系光回線は、他社回線から乗り換える際や、他社回線に乗り換える際に必ず工事が必要になります。
一方、フレッツ光から光コラボレーションや、光コラボレーションサービス同士なら、同じ回線を流用できるため工事不要で乗り換えることが可能です。
もちろん工事費も掛かりません。
長く使う分には問題無いかもしれませんが、万が一何らかの理由で短期で乗り換えることになった場合、手間と経費を掛けずに乗りかえられる光コラボレーション側に分があると言えるでしょう。
3.開通までに時間が掛かるケースがある
NTTが一手に工事を引き受ける光コラボレーションサービスと比べて、電力系光回線は開通までに時間が掛かってしまうことがあるようです。
例えばコミュファ光の場合、申し込みから開通まで1カ月半~2カ月が目安。
さらに、引っ越しが多くなる時期は光回線も繁忙期で、年度末の2月〜3月と転勤が多くなる9月~10月は2カ月以上かかる場合もあります。
一方、光コラボレーションの開通目安は、2週間~1カ月程度です。
早急にネット環境が必要な方には向きません。
※光コラボレーションについても繁忙期は伸びる可能性があるため、出来るだけ早めの申し込みがおすすめです。
電力系光回線 5社の特徴
電力系光回線5社の特徴を見ていきましょう。
お住まいの地域に対応した光回線をチェックしてみて下さい
コミュファ光|東海地方+長野県
開通工事費 | 27,500円 ※実質無料 |
---|---|
ホームの 月額料金 | 普通 5,170円 |
マンションの 月額料金 | 普通 4,070円 |
通信速度 | 普通 下り最大1Gbps |
Wi-Fi | 標準装備 |
スマホとのセット割 | あり 対象:au・UQモバイル |
コミュファ光は、KDDIと中部電力系列の通信事業者『中部テレコミュニケーション株式会社』が運営している光回線です。
日本に5つ存在する電力系光回線の一つで、中部電力が張り巡らせた独自回線網を利用してサービスを提供しています。
そのため対応エリアは東海4県と長野県のみ。
一方で、回線混雑が起きにくく通信速度に優れているのが特徴です。
コミュファ光は、オンラインゲーム向け回線としても力を入れていて、ラグを軽減し常時優先的に回線を利用できる『ゲーミングカスタム』オプションを提供しています。
特に、格闘ゲームやFPS、サッカーゲームなど、通信速度が勝敗に影響を及ぼすようなオンラインゲームをプレイするユーザーにおすすめです!
また、コミュファ光はauやUQモバイルスマホとのセット割にも対応しています。
セット割の割引額はとても大きいので、これらのスマホを契約している方にもおすすめです。
eo光|関西地方+福井県
開通工事費 | 29,700円 ※実質無料 |
---|---|
ホームの 月額料金 | 普通 5,448円 |
マンションの 月額料金 | 安い 3,876円 |
通信速度 | 普通 下り最大1Gbps |
Wi-Fi | 有料レンタル |
スマホとのセット割 | あり 対象:au・UQモバイル・mineo |
eo光は、関西電力系の通信事業者であるオプテージが運営している光回線です。
eo光よりも格安SIMのmineo(マイネオ)の運営会社と言った方がピンと来るかもしれません。
eo光は、関西電力が張り巡らせた独自回線を利用するため、対応エリアは関西地方のみに限られます。
その分、混雑が起きにくく速度が非常に安定しているのが特徴です。
通信速度が勝敗を左右するオンラインゲームを遊ぶ方や、テレワークなどで重たいファイルをやり取りする方に特におすすめです。
尚、Wi-Fiは残念ながら標準搭載では無く有料レンタルとなりますが、月額110円とリーズナブルで機器のスペックも申し分ありません。
市販品を買うよりもお得です!
また、eo光は自社サービスのmineoとセット割が組めるほか、KDDIと業務提携しているためauやUQモバイルスマホの月額料金割引も適用できます。
これらのスマホを契約している方にもおすすめです。
メガ・エッグ|中国地方
開通工事費 | 38,500円 ※実質無料 |
---|---|
ホームの 月額料金 | 普通 4,620円 |
マンションの 月額料金 | 普通 3,520円 |
通信速度 | 普通 下り最大1Gbps |
Wi-Fi | 有料レンタル |
スマホとのセット割 | あり 対象:au・UQモバイル |
メガ・エッグは、中国電力系の株式会社エネコムが運営している光回線です。
日本に5つ存在する電力系光回線の一つで、中国電力が張り巡らせた独自回線網を利用してサービスを提供しています。
その分、対応エリアは中国地方の5県に限定されますが、混雑が起きにくく速度が非常に安定しているのが特徴です。
また中国電力とセットで利用すると、ずっと550円の月額料金割引が受けられるので、該当する方は非常にお得な料金で利用できます。
さらに、KDDIと業務提携しているためauやUQモバイルスマホとのセット割引も適用可能!
これらのスマホを契約している方にもおすすめです。
ピカラ光|四国地方
開通工事費 | 完全無料 |
---|---|
ホームの 月額料金 | 安い 4,950円 ~4,620円 |
マンションの 月額料金 | 安い 3,740円 ~3,608円 |
通信速度 | 普通 下り最大1Gbps |
Wi-Fi | 無料レンタル |
スマホとのセット割 | あり 対象:au・UQモバイル・ピカラモバイル |
ピカラ光は、四国電力グループの株式会社STNet(エスティネット)が提供している光インターネットサービスです。
西日本に5つ存在する電力系光回線の1つで、四国電力が張り巡らせた独自回線を利用するため、対応エリアは四国のみ。
その分利用者が限定されるため回線混雑が起きにくく、通信が非常に安定しています。
特に、速度が勝敗を左右するようなオンラインゲームを遊ぶ方や、テレワークなどで重たいファイルを扱う機会が多い方におすすめの光回線です。
また、ピカラ光はコスパも優れています。
開通工事費は0円でWi-Fiルーターのレンタルも無料、さらに月額料金もリーズナブル!
その他、自社サービスのピカラモバイルとセット割が組めますし、KDDIと業務提携しているためauやUQモバイルスマホの月額料金割引も適用できます。
速度・料金ともに優れているので、四国にお住まいならピカラ光を第一候補にして検討すると良いでしょう。
BBIQ光(ビビックヒカリ)|九州地方
開通工事費 | 39,600円 ※実質無料 |
---|---|
ホームの 月額料金 | 普通 5,500円 |
マンションの 月額料金 | 高め 4,510円 ~6,380円 |
通信速度 | 普通 下り最大1Gbps |
Wi-Fi | 有料レンタル |
スマホとのセット割 | あり 対象:au・UQモバイル・QTモバイル |
BBIQ光は、九州電力系の通信事業者である株式会社QTnet(キューティーネット)が運営している光回線です。
西日本に5つ存在する電力系光回線の1つで、九州電力が張り巡らせた独自回線を利用するため、対応エリアは九州7県のみ。
その分、混雑が起きにくく速度が非常に安定しているのが特徴です。
月額料金は標準~少し高いくらいですが、九州電力を利用している方ならセット割が適用できます。
また、BBIQ光は自社サービスのQTモバイルや、KDDIのauやUQモバイルスマホとのセット割引も適用可能です。
これらのサービスを契約している方には、非常にコスパの優れた光回線となります!
auひかりは電力系光回線なのか?
auひかりは、KDDIが運営している一風変わった光回線サービスです。
他の携帯キャリアが運営しているドコモ光、ソフトバンク光、楽天ひかりは全て光コラボレーションサービスですが、auひかりは違います。
電力会社系回線とダークファイバーと呼ばれるNTTの予備回線を使った、ハイブリッド型光回線なんです。
元々、東京電力が運営していたインターネット事業『TEPCOひかり』を統合してスタートしたため、このような形態となりました。
南関東の一部地域ではTEPCO光から引き継いだ自社の光ファイバー網を利用し、そうでない地域ではNTT東西のダークファイバを用いてインターネットサービスを提供しています。
電力系光回線のまとめ
電力系光回線の特徴や光コラボレーション・サービスとの違い、メリット・デメリットについて紹介しました。
今記事のまとめです。
電力系光回線とは、各地域の電力会社グループが独自の回線網を利用して提供している光インターネットサービスです。
全国展開しているNTT回線を利用した『光コラボレーションサービス』と比較すると、親会社の電力エリアでしか加入できないという制限がありますが、その反面契約者数が絞られるため通信が安定しやすく、速度が速い傾向があります。
また、電力会社運営ならではのメリットもあり!
一方で下記のようなデメリットも存在するため、契約を検討している方はしっかり把握しておきましょう。
対応地域にお住まいで、速度や安定性を重視するなら電力系光回線。
反対に、爆速でなくてもOKで乗り換えなどの利便性を重視するなら光コラボレーションサービスがおすすめです。
ご自分の環境に合わせて最適なネット回線をお選びください!
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